9月17日 今度の旅行を準備する際、KTMホームページに発表されている東南線の時刻表とここに乗っている18,19列車の時刻表を元に旅客列車ダイヤを描いてみた。http://www.big.or.jp/~aochan/ Y軸で、駅間距離が不明なので取りあえず各駅間を2mmにしてA4グラフ用紙に納めてある。交換駅が一寸推定したところもあるが、全列車追い越し無しで組んでいることはすぐ判った。このダイアを見ると判るようにこの東南線全線を明るい内に走るのは14レと15レの二本しかない。この14レに乗ってこの日は終点近くまで、お目当ての18レの撮影場所を決めることとしたのである。戻りの19レは夕方だから場所は始発のTumpat寄りに限られてしまうが。 場所は例によってグーグルの航空写真で線路を追って行くとDa BongとKuala Krai間で大きくうねっているのを見つけた。トンネルもある。俗称ジャングルトレインの名前の由来はここに有るのではないかと想像した。上図は現地で買った地図上の該当部分である。この地図の下部には沿線主要駅毎のホテルとその電話番号が記載されているのでこのあと役に立つことになる。 この日14列車でロケハンし翌18日に来る18レと戻りの19レを写すポイントを決め、18レのポイント近くのホテルのある駅まで戻り、18日は朝18レを写したら後続のローカル84レ又はバス・タクシーなどで後を追い戻ってくる19レを写す。この晩は、翌19日にはブルートレインが来ないので、Tumpat近くまで行って泊まり、国境を越えタイに入りそこで列車を写してみようとの計画である。 14レは淡々と6~70Km/Hの速度でほぼ定時で走り続ける。周りはどこまでも続く椰子のプランテーション、所々でゴムも混ざる。まわりは開けこれがジャングルとはとても思えない、やはり見所はDa BongとKuala Krai間に違いない。しかし途中ですれ違うはずの15レが来ないしKuala Lipisのホームには14レ後追いで出るはずの86レの姿が無い。おかしいなと思いつつ快走のリズムを楽しんでいるとGua Musangから六つ手前の片面ホームの交換駅Chegar Perahで停車した。ときは15時10分、手描きダイヤで見ると約30分遅れている。 この14列車は本線(直線通過出来る線形)上に停まった。マレーシアは鉄道も道路も左側通行だから順当な側に入線したことになる。こちら側は通過待避線である。後続86レの姿が見えなかったのは81レにトラブル有ったに違いなく途中で打ち切りにされ、後続の14レがこの側線を通過するのだろうとこの時点では思った。 17時頃対向列車が待避線に到着した。予想に反しローカルの81レだ。最後尾は無蓋電源車。手前の列車は我々が乗ってきた急行14レ、本当に形だけの10mも無いような低いホームが手前にあるが3両の客車のうち中間の2ドアだけしかかからないし、乗降は手摺に手を掛け体重を支えないと行えない。 このローカルの様子がおかしいので車掌に聞いても要領を得ない、というより何もわかってない。駅長に聞いたら当然知っていてローカルの軸受けが焼けて低速でしか走れないのでここで打ち切り、ローカルの乗客はこの駅で後続の急行15レを臨時停車させ乗せローカルの終点であるKuala Lipisまでは15レを各駅に停める、と明快な回答である。びっくりしたのはここから。14レを待避線分岐ポイントの先まで進めたあと、ポイントを切り替えバックさせ、到着させたばかりのローカル列車の後までバックで押し込んだ(連結はしない)、これで通過線が空いたので15レに先方の駅で閉塞区間のタブレットを渡せる条件が整った。ここで15レと交換させるのだ。 17時40分15レ到着。この時点で我々の遅れは約3時間だがこの15レは約6時間遅れ、ローカルに至っては8時間近い。ベアリング焼き付きだから自然に治るはずはなくもっと手前で打ち切り後続の急行に客は乗せるなり(それとももう1本ローカル85レがあるのだからそれまで客を待たせる?)すればこんなに遅れず済んだのに!運転指令が無能! ローカルの客が後続の15レに乗り込んでいる。この写真を撮って居たら駅員がタブレットを持って我々の14レの方にゆくので慌てて客車に戻りやっと発車、約3時間半の遅れだ。 この後は又快調に走り出したが、このまま乗って居ても夜になってはロケハンにならない。同行のM野氏と相談、次のGua Musangで下車しそこで泊まることにした。14レは対向の上り急行優先の運転で更に遅れ州都コタバルの最寄り駅Pasir Masには4時間半遅れの23時過ぎに到着、大勢の外国人を含む乗客に雲助タクシーが群がり大騒ぎになったとGemasから乗り言葉を交わしてきたイギリス人から帰国後貰ったメールで知った。彼が憤慨していたのはKTMからなんの説明も、深夜下車した乗客へのアシストもなかったことであると。林教授の名言「あわてず、あせらず、あきらめず、あてにせず」をかつてこの地を支配していた大英帝国末裔が判っていない! Guamu Sangには18時40分過ぎに到着した。ここは大きな駅だから勿論交換設備があるがホームが下り方向にしかない、交換線には何も無い単なる側線である。どうせ4~5分は停まっているだろうと考え、未だ明るかったのでホーム上を前方に走り飛び降りて(このホームは高ホーム)更に前方に歩いて行くと線路は右にカーブして行く。そこで振り返って見たら驚いた。ホームにここまで乗ってきた14レが居ない。よく見ると場内信号の所までバックして居る。その後前進し側線に入り停車した。ここで状況を理解、この駅は旅客が乗降できるホームが1本しか無く、駅の出入りはホーム側しか出来ない上にホームが高いから、交換する上り列車を側線に入れてもそこで旅客の乗降は出来てもホームが高いから往来が出来ない。そこで先着した14レをホームに着け乗降させ、その後バックさせ側線に転線待機させたのである。前進して側線に入れるとその間閉塞区間を占拠してしまい対向列車は転線が完了するまで前駅を出発出来ないから、この1ホーム交換駅ではベストの方式である。ホームが2線あれば普通に交換出来るのになんとまあ大変な作業。
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