Archive for 5月 15th, 2012

フィルムスキャンの顛末(その2)

2012年5月15日
By murakashi
フィルムスキャンの顛末(その2)

エプソンの純正ホルダーで、フィルムのたわみがゼロとしても、スキャナーガラス面からフィルムまでの距離が2.0から4.0まで1mm刻みにしか変えられないのが気に入らない。レンズの被写界深度があるにせよ一寸荒すぎないか?中間にベストポイントがあるのではないか? そこでネットで知ったアメリカのサードパーティーが売っているGT-X970用MF フィルムホルダーを購入し自分のスキャナーの焦点はスキャナーのガラス面上何mmのところにあるのか確認してみることにした。 ホームページのURLはhttp://www.betterscanning.com このホルダーは、右の写真では1列しか写っていないが実際は2列ある枠にフィルムを落とし込み  左の写真にある”Tバー”と称するプラスチック製の小片を画面枠にあわせてはめ込み、そのときフィルムの垂れを押し上げながらはめ込めば、フィルムは小片と枠の間に密に挟まれ垂れを最小に出来る、というアイデアで設計されている。 下にTバーの模式図を示す。              そして、これがMFホルダーのセールスポイントである。スキャナーガラス面から フィルムまで距離を連続で2.5から3.5までプラスチックねじで調整できる。具体的には、ピッチ0.8mmのねじが使われているので、「ねじが全部引っ込んでいるとき2.5」ねじを90度時計方向に回すたびにo.2づつ距離が増す。度数は目分量だが90度の半分45度なら0.1mm上下出来ることになる。         Tバーを枠にはめ込むとき摩擦による抵抗力得るため枠をすこし押し広げるので右写真のようにフィルムがなくても相対する位置にバランス用のTバーをはめる必要がある。     フィルムは枠にある程度の力で押さえれば良いのであるから、それならば、ということでこのサードパーティーはTバーの代わりにANRガラス(アンチニュートンリング)もオプションで売っていたのでこれも購入してみた。Tバーより簡単である。左にその写真を示す。ガラスは判りやすいようにずらして撮影しているが正しくは枠内に落とし込む。下に模式図を示す。                             アンチニュートンリングガラスとは、ガラス面にミクロの凹凸を加工したもので、ニコンスキャナーのオプションでブローニ判用ホルダーとして買い重宝していたので今回も買ってみたのである。     これで準備が整った。スキャナーガラス上面からフイルムまでの距離を変化させてピントの変化具合を見てみよう。          
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フィルムスキャンの顛末(その1)

2012年5月15日
By murakashi
フィルムスキャンの顛末(その1)

今年の1月、長年働いてきたニコンスーパークールスキャン8000EDが突然壊れてしまった。部品が無く修理不能なので、エプソンGT-X970を使うことになった。ご存知のようにGT-X970はフラットベッドスキャナーである。使用上のKHを先輩に聞きながら稼働させたのでその顛末を述べたい。但し、意識して嘘は述べないがどうも個々の機械によって数値上の差が有るような気もするので、100%正確な記事としては捉えないで欲しい。 GT-X970はフラットベッドだからフィルムも反射式(光源から原稿に光を当て、その反射画像を光源と同じ側においたセンサーで読み取る)で・・・、うまく行くのだろうかと不安だった。しかし実際はフイルムスキャンのときは上に光源があり透過光を下側のセンサーで受ける方式で先ず一安心。 センサーから原稿までの距離は、ニコンスキャナーは自動焦点でピント合わせの心配はなかったが、GT-X970の操作画面にはそのようなキーが無い。ネットで調べると本来の反射光式のコピーのときはスキャナー上面ガラス上に焦点があり、フィルムスキャンのときは付属専用ホルダーの厚みを考慮して上面ガラス上(約)3mmに焦点があることが判った。”約”と言ったのはフィルムはカールしていたり、自らの重みで垂れたりするのでレンズの被写界深度でカバーしなければならないからである。 取りあえずブローニ判フィルムのスキャンをするのでエプソン純正ホルダーにフィルムをセットする。     これはフィルムをホルダーに置いた写真であるが、元のフィルムは膜面(画像側)を内側としてややカールしていたので、膜面を下にしておいてみた。しかしフイルムは自らの重量がカールに勝りこれも下に垂れる。                                                                                           左は付属フィルム押さえで左右を押さえ込んだときの写真である。垂れ下がりは少し改善される。模式画を下に示す。フィルム支え面とガラス面の距離2.0, 3.0, 4.0とあるのは、この純正ホルダーは調整によりガラス面との距離を選べる構造になっていることを示している。デフォルトは3.0である。                                                                                                                                         これでスキャンしてみた。結果は悪くなかったが、一寸不安が残る。フィルム垂れ下がりの影響はないのか?そもそもこれがこのスキャナーで得られるベストなのか?自分が納得できるところまでこの目で確認しておきたい。                
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