このディーゼルカーはうれしいことに運転席との境はガラス張りの扉です。しかし悔しいことには両開きなので正面貫通扉を通してまっすぐ先を見通せません。ご覧下さい。 中央の邪魔者を避けるとこのような写真になってしまいます。運転席を覗くには斜めですから不自由しませんがやはり正面を直視できないの1でイライラします。頼めば中へ入れてくれそうな雰囲気でしたが一人旅で網棚に載せた荷物も盗られないかと気になるのでぐっとこらえ、交換で停車したときなどカメラをもって駆けつけます。エアコン車で窓は開けないし窓ガラスはあまりきれいとはいえないので大人しく窓外を眺めます。 南線は遅れが常態とは聞いていたのですが、この最速特急は出発直後からじりじり遅れ出しました。短尺レールのタタタン、タタタンという懐かしいリズムをききながら、このレールで正規に飛ばしたらどんな感じになるだろうかと考え、どうせ今日は終点で泊まるので着いてくれれば良いや、と居直ります。これが予定に追われる旅と違う今回の醍醐味でもあります。遅れの程度はNakon Pathom(48Km)で約30分、Hua Hin(213km)で約1時間、終点のSurat Thani(635Km)で1時間40分と行ったところです。バンコクから離れると体感速度100Km/h以上で飛ばしますがどうもこの列車は折り返し発車時刻まで余裕があるので特急なのに上り列車優先で交換待ちが多い感じです。 バンコクを出てしばらくは複線区間が続きました。かぶり付きから、近郊ローカルとのすれ違いです。ガラス2枚越しなのでさえません。 そうこうするうちに、車内販売ならぬ軽食の配布(無料、乗車券代に含まれています)が始まりました。 菓子パンと水、これは出発して間もなくのもので10時のお茶に相当するスナック これは米飯の上に鶏肉の載った昼食。このサービスの合間に車内販売もありましたがビールがないのでパス。「乗ったら飲むな」の清い旅です。 食べ物の臭いをかぎつけておなじみコックローチが現れました。これも旅のほほえましい思い出。 途中Hua Hinで、トイレだけは窓が僅かに開くので停車中に撮影。 一天にわかにかき曇り、スコールが襲来。列車は100キロ位のスピードで走りますが、驚いたことに正面貫通扉の隙間から雨が入り込みこの有様です。運転席、助手席(この列車は助手も乗車しています)は勿論雨は吹き込んで居ませんでしたが。 雨も上がった交換停車中に貫通扉を開けて雨の漏れる箇所を点検していたので、乗務員室仕切り扉を開けて貰い交換列車を1枚。これもローカル列車です。特急列車の遅れ回復に努力などありませんが、急ぐ旅でもなし「これも良きかな」です。 1時間40分遅れの18時10分やっとSurat Thani到着。10時間で600キロ強ですからまずまずの速さです。この車両は20時25分にYalaから来る列車に併結でHua Lamphongへ戻ります。 交換でHua Lamphong行き上り急行が発車してゆきました。エアコン付きの客車が編成に入っていることが列車の格を示しています。 この駅は観光地であるコ・サムイ島へ渡る最寄り駅ですが市内から離れていてホテルにはタクシーで行かねばなりません。多分何台かたむろしているだろうと考えていたのが間違い、結局タクシー乗り場に同じく並んでいたタイ人が来合わせたワゴン車と白タク交渉をしていたのに割り込ませて貰い事なきを得ました。
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