マレーシア東南線の旅(その5)

2013年2月19日
By murakashi

9月19日

今回のマレーシア訪問の大きな目的Malayantigerは、隔日運転で今日は来ない。翌20日に来て折り返してJohor Bahru へ戻ってゆく列車に乗るというのが大きな目的の一つである。やってくる18レをどこで撮るか、本来なら期待していたDa Bong /Kuala Kurai間のロケハンが、17日に乗っていた14レ大遅延と18日乗る予定だった84レ運休で出来なかった。後知恵では、この19日にロケハンして場所を決めるべきだったと思うがこれは結果論。18日にKusial Bridge へ行くとき平行する道路橋から上流約1Km位の所に鉄道橋が見えたので、その道路橋上から望遠で狙えば編成全部が入るかもしれないからそこにしよう。又19レ乗車券は既に始発駅から買ってあるから途中駅からも乗れるが始発駅Tumpat は長距離路線の終端駅だから是非見てみたい、道路橋上だからタクシーを待たせておけば追っかけが出来るかもしれない、そんな理由で5ヶ月近く経過した今になっては定かでないがそれが決め手となったのではないかと思う。しかしTumpat 手前のPasir Mas はタイ国境に近く、日本で日程を練っていたとき、あれこれ考えたときにこの日は何もすることが無い(=Malayantiger が走らない)からタイ側の国境の終点Sungai Kolok駅 へ行ってみようと考えていて、その「タイへも行ってみる」という計画を捨てきれなかったのが一番強い理由である。

そうと決まればコタバルの宿をもう一泊予約し、カメラだけ持ってバスセンターから国境のRantau Panjang行きバスに乗って出発。

恐ろしい写真を1枚。乗車券は車内で買うが運転手がその売り上げを紙幣とコインに、多分紙幣は額面別に運転中に整理していた。窓外の乗用車は右折だがこのバスは直進中である。

バスを降りると目の前がマレーシア側のランタウパンジャン出入国管理事務所。右手の建物のすぐ裏側にPasir Mas から分岐した線路が敷かれている。我々は徒歩で国境を越える。勿論ここで出国手続き(はんこ押すだけ)をして小さな河にかかった橋を徒歩で渡ってタイに入った。

これが国を隔てる河と今は通る列車の途絶えた国境を越える鉄道橋。カメラ位置は未だマレーシア領内

河を渡ると目の前にはタイのスンガイコーロク出入国管理事務所

Sungai Kolok 駅まで1Km弱、自動車道路もあるが炎天下排気ガスを吸いながら歩く趣味は無いので線路に沿って進む。列車が来たら最高なのだが、枕木もしっかりしているが長い間車輪に踏まれた形跡無し。

これが駅入り口。門があって、多分夜間は閉めるのだろう。ここはイスラム国家分立派テロが頻発とは言えぬがときどき発生するタイ深南部のその又どんずまりである。但し門の影に居る白シャツのお兄さんは、不審者監視役と一瞬思ったがそうではなく、丁度到着した列車の機回しでポイントの切り替えと手前の道路まで機関車がはみ出すのでその誘導役の鉄道員である。タイ語は出来ないから軽く会釈して中まで少し入り写真を撮らせて貰った後、この道路を歩いて駅に向かった。一昨年のタイ国鉄Hatyai 駅の例から、この駅も当然軍隊が警備しているはずで、そこから線路伝いに駅へ入っていって少なくとも良いことは一つもないと考えたからである。

駅ホームと道路の間が公園になっていてこんな機関車が。今気がついたがこのバイクのお兄さんの左足はどうなっているのだろう?

樹も生え草も生え土に還る?。あちこちさびが進んで穴が空きものの哀れを誘う。

これが駅の正式入り口、兵士が出入りする人間を監視している。この駅の造りは特殊である。というのは元々国境の駅で(ここから先は推測)、この町自体に出入りするタイ内旅客と国境を越える(越えてきた)旅客が居たはず。このホームのマレーシア側(この写真の左側)にはホームから道路側の(昔は有った)出入国管理事務所へ渡る跨線橋が今も残っている。この2種類の旅客を一カ所の駅事務所で処理しようとして、普通の駅ならこの写真の監視所外側に駅舎を建てるところが、この理由で駅舎をホーム上(この写真のカメラの位置)に建てた。更に密入出国を防ぐため、兵士では無いとしても出入国管理官がこの監視所の場所当たりに詰めて居たかもしれない。とにかくこの駅は幅の広いその中に駅舎も建つ島式ホームと機回し線を兼ねた数本の側線とで出来ている。その側線に沿っては貧弱な低いホームが付けられていて側線も乗降に使われる。

これがメインホームの道路側、左手の売店裏が駅事務所、前方に進んで行くとマレーシア、跨線橋は右に有った出入国管理事務所と結ぶ通路。尚、この写真の右側は駅前広場(=道路)でこのホームに列車が停まってしまうと乗客は駅に出入りできなくなってしまう。側線にも簡易ホームが付けられて居るがそこも同じである。この日見ていた限りではこちら側の線路は機回しには使われていたが客車が停まっていることは無かった。反対側はそのような障害はないから発車待ち列車が側線も含め複数本出たり入ったりしていた。

バンコクから直通の急行と特急が到着するはずだが遅れている。タイ国鉄はKTM と違って列車到着予定時刻が駅舎に掲示されていた。時間があるので町へ昼食へ、商店街は駅前道路を隔てて向こう側にあるので(我々以外誰も渡らない)歩道橋を渡った。上の写真で右の赤い屋根の後側がSungai Kolok 駅である。駅前には国境までのバイクタクシーがたむろしていた。炎天下歩くのはつらいし結構はやっている様子だった。この後我々がマレーシアへ帰ろうとしたとき雨が降っていて利用する羽目になる。

同じく歩道橋上からマレーシア側を見る。左手森の奥に見えるビルの手前に駅の締め切り門がある。右手が繁華街。通りに面した店は古いが1本裏の通りにはしゃれた店もあった。結局ベーカリーで(菓子?)パンを食べ昼食とした。

買い物に立ち寄ったセブンイレブン、ここではウイスキーからビールまで酒類も売っていた。この付近の住民の大半はイスラム教だがここはタイ、酒飲みのマレーシア人が越境買い出しに来るのであろうか?イスラム教徒イコール酒嫌いというのはあり得ない。昔タンカーに乗ってサウジアラビア(アラブの中でも一番厳しい)に入港したとき、検査のため乗船してきた税関員に船長がウイスキーを勧め、彼はべろべろに酔って下船していったのを見たことがある。(そのあと自分が下船したときの荷物検査で、液体の入っている物は全部アルコール飲料でないかを税関でチェックされた!)

そろそろ遅れた列車が到着するので駅に戻った。 13時18分(タイ時間、マレーシアより1時間早い)バンコクからの特急が到着、急行が先に着くはずだが途中で追いつき追い越したのだろう。

列車からは警備の添乗兵士が降りてきてホーム監視。間近に見る自動小銃(?)の鈍く光る銃身、これ以外はタイの普通の喧噪だが背筋が一寸寒くなる。この列車はここで車内清掃、客を乗せたところで隣の側線へ転線した。

雷を伴う激しいスコールのなか、14時16分遅れた急行が到着する、側線にはバンコク行き特急が待機していて急行到着後すぐ発車して行った。

急行も、当然警乗付き。

急行列車は手小荷物列車も兼ねている。雨の中を急げ急げ。手前の青い熱帯睡蓮は、実は我が家にもあって懐かしくなりパチリ。

14時47分急行が出発、素早い折り返し作業に驚いた。

この列車が出て行けばあとはローカル1本だけだからマレーシアへ戻ることにした。

帰途、マレーシアへ再入国したときこの付近にもマレーシア側の鉄道旅客の為の設備が有る筈だとよく見るとあったあった。これはRantau Panjang駅、マレーシア国鉄では一般的な1ホーム交換駅である。この写真はホームから手前にあったであろう昔日の出入国管理事務所に渡る跨線橋から撮っている。

Rantau Panjang駅跨線橋からPasir Mas方面を望む、すぐにでも走れそう。

帰途Pasir Mas駅に立ち寄りタイ連絡線の様子を見た。

Pasir Mas駅の上り側(シンガポール側)の出発信号機である。嬉しいことにGuam Sang 駅ではタッチの差で廃止されてしまっていた腕木信号機が現役だった。右がタイ方面左がシンガポール方面。

ポイントに近づいてみると向こうに遠方信号機が見えた。ポイントもきちんと手入れされている様子であった。

頭上で場内信号機がカシャーンと落ち待つことしばし、18時50分14レが20分遅れでPasir Masに進入する。20分遅れは長距離列車として驚異的正確さである。 盛り沢山の1日が終わった。

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