9/13 この日が事実上の最終日、天気予報は一応晴れとなっていました。朝起きて空には青空が見え一安心。前日のサブクの撮影は風こそ無かったものの時折降り出す雨に傘をさしながらでしたから。 8時にチェックアウトし2日前にチャーター予約したタクシーでモテルを出発、ナハンジョンに顔を出し先ず挨拶です。ナハンジョンとフンジョン間のスイッチバック区間の要所はカメラで常時ここの駅長室でモニターされていますから、2日前に挨拶していますが、当直者が同じとは限りませんので、「不審者が鉄道敷地内に侵入」と見なされない為です。 羅漢亭から桶里までの区間の略図を左に示します。国道33号線が付かず離れず走っているように見えますが高低差があったり立木が邪魔したりで余り見通しが良くありませんでした。矢印は添付写真を撮影したときの方向を示します。 当日の写真は以下に、ただタクシーであっちへ行ったりこっちへ来たりしたので時系列で並べると混乱しますので、下界から上への順で並べます。 トゲ駅に進入する上り旅客列車と交換待ちの下り貨物列車です。出発前読んだピクの記事ではここからサミットのトンニ駅までディーゼル機関車が後補機で付くと書いてあったのでその機関車群が居ると期待していましたが全く居ません。 トゲ駅を発車する上り旅客列車。右側の山中に炭坑が有り(あった)太平洋戦争前から掘られ日本海に面したムッコ(墨湖)港から積み出されていました。構内にはその名残が見られます。 ナハンジョン全景。今しもセメント列車がスイッチバックを押し上げられてフンジョンへ向かって行きます。この駅は運行が複雑で、それというのもこのスイッチバックの下端から先に伸びる引き上げ線が事実上1本しかないことに有ります。実はこの5分前先着の下り貨物列車が左側の引き上げ線からトゲへ向け発車して行きました。写真ではこの上り貨物列車は右側の引き上げ線からスイッチバックに入っています。ところがこの右側の線は長さが足りず樹で隠れたあたりで左側の線に合流しています。そこでこの上り列車は下り列車が発車し左側の引き上げ線が空いて初めて列車全体を引き上げることが可能となり、スイッチバック出来るのです。スイッチバックの起点をもっとトゲ寄りにすれば解決したのでしょうが、出来なかった理由はこの後フンジョン駅に行って判りました、地形的にフンジョン駅も後が無いのです。それではフンジョン駅の高度を下げた位置に作れば良かった?こうするとフンジョンと蒸機時代に作られた終点シンポリ間の勾配がきつくなりこの区間には長いオメガカーブトンネルがあるのでそれもならず、と云った条件が重なったことの産物なのです。個人的にはトゲ付近から築堤で高度を稼ぎ上って来ればスイッチバック無しに終点のシンポリまで行けたのにと思いますが、戦争中でしかも日本の敗色濃い時ですからこうするしか無かったのでしょう。 フンジョン側スイッチバックのクロス部分です。ここの線路配置は単純でこの背後側に線路が延びるだけです。只終端は斜面に突き当たるのでトンネルに入って行き止まりになっています。 この写真は下り列車のものです。左はシンポリから下ってきた列車がフンジョンに進入しようとするところ、右はフンジョンからナハンジョンへ下って行くところです。旅客列車はこのバック運転の時車掌が最後部の車両から前方監視をします。貨物列車は以前は補機のDLが前方監視役でしたが今はメクラ運転(ナハンジョンで線路状態はモニターしています)です。 シンポリから出発する下り旅客列車です。昔のシンポリは右手の山の後ろ側に広がる一寸した広場で、トンニへ鉄道でつながるまでそこが終点で、トンニまでインクラインで結ばれていたのでヤードが広がっていました。ヤード跡は今も少し残り、作業用車が置かれていました。 ヨーロッパの深山幽谷の風情があります、電化設備は日本風ですが。 列車手前が旧シンポリヤード跡です。ここから右上方約1Kmのトンニまで有ったというインクライン跡は、一瞥したところでは、見あたりませんでした。何事も細かい事に探索癖ある一言居士師もこのときは撮影に夢中でそのことは忘れていたみたいでした。 旧シンポリのヤードを過ぎると第二のオメガカーブトンネルを経てここに出てきます。下段の線路は二枚上の写真でシンポリを出た下り列車がすぐさしかかる区間です。理論上(?)シンポリで交換する列車が両方とも写せる可能性は有りますが下段はシンポリから100mあるかないかの場所、上段は1Km弱離れていますから先ず無理で、それよりカメラを動かさず同じアングルで撮った写真を合成する方が簡単そうです。この場所に居ると数分後に同じ列車が左上後方を左から右へ行く列車が見られたと記憶します。それともシンポリを見下ろす場所だったか?良い加減な書き方で済みません、列車が右へ行ったり左へ行ったり、音だけ聞こえたりとこの辺に立つと錯乱状態になるのです。 上の写真の続き、次のトンネルに入る直前です。左側の樹が無ければオメガトンネル出口まで見える筈なのですが。 廃止間近になると築堤や線路端に生える木の伐採など、手抜きではありませんがそろそろメンテナンスを止め始めたのかもしれません。尚、この区間の枕木は意識して見てきましたが全部木製でした。 目の前を可成りの速度で通り過ぎる1000トン牽引重連電機の唸りは迫力満点です。 ...
Read more »