鉄研三田会の概要
慶応義塾大学在学中「鉄道研究会」に所属していた者のうち卒業後も引き続き「鉄道に関する趣味」に関心を持つものによって構成されている。卒業生は600名をこえるが、卒業後本人希望で入会した三田会員は現在430名である。三田会とは慶応義塾卒業生(塾員)の各種団体の総称であり、本会も通称を『鉄研三田会』と呼ぶ。
鉄研三田会員の中には鉄道及び関連産業を本職にするようになった者も少なくないが、当会での活動はあくまでも「趣味」的な視点からの問題を対象としている。また在学時代から同じ趣味を持つ者同士の親睦の意味合いも強い。
1934年(昭和9年)創立の慶応義塾大学鉄道研究会の発足から数えて2000年には67周年となり、戦中戦後の数年の表面上の空白はあるがこの種の団体では日本では最古の部類に属するものと思う。
鉄道の趣味活動は基本的には個人的なもので、鉄道写真、鉄道模型、歴史やその他の調査研究、乗り歩きなど他の鉄道趣味団体などと変わりないが、1984年(昭和59年)の50周年前後からは三田会として自主出版を中心に団体としての活動も活発に行っている。
通常在学時代のクラブは卒業と共に霧散するか或いは同年次付近の繋がりはあるものの上下に離れた年次の繋がりの糸は細いものだが、幸いなことに当会には上下を結ぶ太いきずなが三つ存在した。その一つは朝日新聞の年鑑「世界の鉄道」の編集で、全面的に任されたこの事業をOB現役が協力し17年の長期に亘って責任ある仕事をやり遂げた。このため上下に卒業年次で30年以上の隔たりのある先輩後輩が一体になって企画、撮影、調査、執筆を行うことで三田会としての基盤が確立した。もう一つは誠文堂新光社から発行した「ガイドブックシリ−ズ」であり、交友社から発行した「私鉄電車のアルバム」のシリ−ズでありこれも現役の学生を中心に結束を固めることになった。
会員の多くは日本の各種産業の中核になって働く世代であり、趣味に時間を割くことは困難な人が多いので、全体の会員数に比べて活動への参加率は低い。しかし学生時代共通の目標と共通の趣味に向かって歩いた会員のために心の故郷の扉を何時でも開けておくことが当会の使命でもある。
[2000.03.04]
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