博物館もトロッコ尽し
 隣接する「立山砂防カルデラ博館」でも会期中軌道に関する特別展示が実施されており、一同行ってみることに。
 特設展の会場には、立山砂防軌道だけでなく、世界中のナローに関する展示が実施されていた。特筆すべきは展示品として数基設けられたレイアウト。Nの車両をそれらしく誤魔化して使っているのではなく、何といずれも乗工社の「実車」を使用しているではないか。スイッチバックの模型でも、リレー回路でポイントの自動切替を行い、きちんとスイッチバックを登らせるなど、とにかく手が込んでいる。これだけ作り込んであれば、一般の観覧者に対する教育効果も大きいと感じる。
 日本の他、世界各国のナローに関する写真のパネル展示も実施されていたが、ところどころに「提供:RailMagazine」と書かれた写真が混じっているのは御愛嬌である。
 本館では常設展でも砂防軌道に関し相当なスペースを割いてあり、観るべきものは多い。この博物館全体を見ても、展示のグレードはかなり高い(入場料分のモトは絶対取れます)のだが、砂防軌道関連の展示は凄いとしか言いようがない。感心したのは前方展望ビデオのミニシアターで、人車を模したブースの中で大スクリーンに映し出された前方展望映像を観ることができるのだが、ブースに振動機能が付いておりポイントや橋梁を通過すると揺れるようになっていた。他にも酒井4t機が静態保存されており、キャブ内に立ち入れるようになっている。

ミヤゲも万全
 満たされた思いで博物館を後にしようとした一行。しかし、カウンターにさりげなく「立山砂防工事専用軌道の全て CD-ROM発売中」と張り紙があるのに気付いてしまう。沿線展望ビデオに運転体験シミュレーターと相当盛りだくさんで、値段も¥2,600強と手頃。御当地のみでの発売ということなので、一同即座に購入を決定。
 我々一同の他にも購入者が列をなし、博物館の窓口氏は嬉しい悲鳴を上げていた。

 帰宅後自宅のPCで紐解いてみたが、内容は以下の通り。
 この手の鉄道モノCD-ROMの中でも抜群の出来ではないだろうか。前述の様にカルデラ博物館のみでの販売なので、訪問の際は絶対に買いである。
1,バーチャル・トロッコ・ツアー
 砂防軌道全線(全体の半分以上は早送りですが)の展望映像。
 何と前後左右に視点切替可能!
2,トロッコ運転シミュレーター
 車両は北陸重機6t機。全3分。
 簡略化されてはいるが、スイッチバック等の独特な操作が要求されるのでかなり楽しい。
3,トロッコ百科
 砂防軌道に関するデータベース。車両リストから軌道・車両愛称に至るまで、雑誌記事並のボリューム。特にダイヤは必見(数年前のRMに一度掲載されたのみ)。

戦い済んで
 以上「国際トロッコサミット」についてかいつまんで触れてきたが、楽しさを一端でもお伝えできれば幸いである。
 イベント全般を通じ、主催者側の熱意を強く感じた。正直なところ、ここまで奥の深い内容だとは予想していなかった。参加者が直に軌道と触れることのできる催しが多く設けられていたのも高く評価できる。
 末筆ではあるが、本イベント関連者各位に御礼を申し上げたい次第である。また当日悪天候の中同行していただいた野口・松田・花沢・坂戸の各氏(敬称略)に、この場を借りて感謝の意を表したい。

画像撮影:1997卒野口
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